Classici giapponesi con furigana
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かんとんねぎ
広東葱
国枝 史郎
Leggi 広東葱 (かんとんねぎ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7425 caratteri · 15 schermate
三
神楽坂で自分達は電車を降りた。カフェーオザワでコーヒーを飲みその辺を一廻りひやかしてから別かれるために立ち止まった。
その時穢い鳥打を冠った一人の男がすれ違った。
「君々!」
と新井君は呼び止め乍らその男の方へ飛んで行った。そうして殆ど十分ほど何か二人で囁いていたが、急にその男は驚いたように、新井君の顔を見守った。それから丁寧に頭を下げ、元来た方へ帰って行った。
「一体あれは何者だね?」
「僕と親しい刑事だよ」
新井君は心地よげに笑ったが、
「見給え明日あのボーイは屹度放免されるから……それでは此処で失敬しよう……また明日の晩訪ねて行くよ」
立ち去る新井君を見送り乍ら自分は茫然立っていた。
三
果して翌日の新聞を見ると黄華軒のボーイは証拠不充分で放免されたと書いてあった。
「ほんとに新井君の云った通りだ」
自分は変な気持がした。早く新井君がやって来て、どうしてボーイが放免されたか、その理由を説明して欲しかった。自分はそこでこの怪しい殺人事件が起ってからの目星い事柄を数えて見た。
黄華軒の美少年――料理の中の広東葱――宗社党の陰謀の噂――素晴らしいダイヤの指環を穿めた風采の立派な支那学生――座敷にいたという支那美人――美少年ボーイとダイヤを穿めた支那の学生が夜遅く親しそうに囁いていたかと思うと、そのまま学生が立ち帰っ