Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しきぶこうじ

式部小路

泉 鏡花

Leggi 式部小路 (しきぶこうじ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 74.847 caratteri · 149 schermate

Aozora Bunko

お嬢さんは?」

「私かい、」

「何ですか、蔭で聞きますりゃ、御新造さんもお亡なんなさいましたッて、飛んだ事で、」と震えて蒼くなっていう。お夏も心が激したか、目のふちに色を染めて、

「ああ、愛吉、お前のおともだちの蔵人(軍鶏呼名)もね、人形町の火事ッきり、どこへ行ったか分らないんだよ。愛吉てば、お前、おっかさんが亡なっても、家が焼けても、まるで顔を見せないんだもの。

お前、おっかさんが亡なっては、私一人ぼっちじゃないか。人形町の内が焼ければさ、私はどこにも行く処がないじゃないか。

それだのに、ちっとも来てはくれないんだもの、随分だわ。」

愛吉は堪えかね、堪えかねて、火の粉が入ったようにぐッとその目を圧え、

「だって、だって何でさ、加茂川亘さんて――その、あの、根岸の歌の先生ね、青公家の宗匠ン許へ、お嬢さんの意趣返しに、私が暴れ込んだ時、絽の紋附と、目録の入費を現金で出しておくんなすったお嬢さんを大贔屓の――新聞社の旦那でさ。遠山金之助さんですよ。

その方に、意見をされて、私のようないけずな野郎が、お嬢さんと附合っちゃ、お前さんの何でさ、為にならねえからッて、いわれたもんで。