Classici giapponesi con furigana
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ただなおきょうぎょうじょうき
忠直卿行状記
菊池 寛
Leggi 忠直卿行状記 (ただなおきょうぎょうじょうき) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.602 caratteri · 47 schermate
三
無礼講の酒宴にぐたぐたに酔ってしまった若武士たちは、九つのお土圭が鳴るのを合図に総立ちになって退出しようとすると、急にお傍用人が奥殿から駆けつけて来た。
「各々方、静まられい! 殿の仰せらるるには、明日は犬追物のお催しがあるべきはずのところ、急に御変改があって、明日も、今日同様、槍術の大仕合いを催せらるる、時刻と番組とはすべて今日に変らぬとの仰せじゃ」と、双手を挙げて、大声に触れ回った。
若武士の中には「やれやれ明日もか」と思う者もあった。今日の勝利をもう一度繰返すのかと、北叟笑む者もあった。多くの者は、酒を飲んだ後の勇ましい元気で、
「毎日続こうとも結構じゃ。明日もまたお振舞酒に思い切り酔うことができる」と、勇み立った。
その翌日は、昨日と等しく、城中の兵法座敷が美しく掃き浄められて、紅白の幔幕が張り渡され、上座には忠直卿が昨日と同様に座を占めたが、始終下唇を噛むばかりでなく、瞳が爛々として燃えていた。
勝負は、昨日とほとんど同様な情勢で進展した。が、昨日の勝敗が皆の心にまざまざと残っているので、組合せの多くは一方にとっては雪辱戦であったから、掛け声は昨日にもまして激しかった。