Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

Leggi 怪塔王 (かいとうおう) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 167.635 caratteri · 337 schermate

Aozora Bunko

小浜兵曹長の目の前は、急にくらくなった思です。

「青江、青江、青江!」

兵曹長は、のどもはりさけるような声で、こんかぎりに青江の名をよびつづけました。しかし青江は。――

もうこの先を書く勇気がありません。

がんばりやだった青江三空曹の最期!

墜落

1

あれほどがんばりやだった青江三空曹も、鬼神ではなかったので、力も根もつきはて、ついに尊い犠牲となりました。

「ざんねん、ざんねん」

と、部下の気の毒な運命を思って、小浜兵曹長の胸はつぶれる思です。

しかし彼は、ゆっくり涙を出しているひまもありません。なぜならば、綱にぶらさがっている彼も、やがて青江のような運命を迎えねばならぬことがよくわかっているからです。腕はぬけそう、体は風にもぎとられそうです。怪塔王のにくい顔が、こっちをのぞいて笑っているのが見えるようです。

「おのれ怪塔王、おれまで、ふりおとそうというのか。冗談いうな、おれは小浜兵曹長だ。だれが貴様をよろこばせるためにふりおとされてやるものか。なにくそ!」

帝国軍人がこんなことで二人ともふりおとされてどうするものか、わが海軍の名誉のためにも、死んでもこの綱ばかりは放さないぞと、兵曹長はいきばっています。