Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

Leggi 怪塔王 (かいとうおう) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 167.635 caratteri · 337 schermate

Aozora Bunko

兵曹長がつりさがっている綱は、さかんにぴゅうんぴゅうんとふれています。飛行機は綱よりも上空にありますが、今は誰も操縦していませんから、ぐるぐるまわりながら、綱もろともしだいにおちていきます。

「うむ、誰がふりおとされるものか」

そのうちに綱のふれ方がゆるやかになりました。綱と飛行機がもろともに下におちだしたので、ふれ方がゆるくなったのです。兵曹長の腕は、すこし楽になりました。

しかしこうしていれば、飛行機も兵曹長も、だんだんスピードを増して下におち、やがては地上にはげしくぶつかるでしょう。

兵曹長も、前からそれに気がついていました。綱のゆるくなったのを幸いと、兵曹長は今だとばかり満身の力を腕にあつめて、綱をよじのぼりはじめました。

2

部下をうしなったかなしみと、はげしい風力とにたえながら、わが勇士小浜兵曹長は満身の力をこめ、えいえいと綱をのぼってゆきます。

幸いと、こういう綱のぼりは、艦上でうんときたえてある兵曹長です。彼はみるみる上にのぼっていきました。飛行機の腹が、もうすぐそこに見えます。

そのころまで水平をたもっていた飛行機は、急に翼をかたむけました。