Classici giapponesi con furigana
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あしのうら
怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像
蘭 郁二郎
Leggi 怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像 (あしのうら) di 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 109.233 caratteri · 223 schermate
彼はそういい乍ら、つと立ってピアノの鍵盤を開けた。なるほどそこには白いキーと、黒いキーと、も一つ、緑色に塗られたキーとが、重なりあって、羊羹箱を並べたように艶々と並んでい、見馴れぬせいか、ひどく奇異な感じを与えていた。
――私は、先刻から、このなんとも批評の仕様もない、狂気染みた夢物語に、半ば唖然として、眼ばかりぱちぱちさせていた。
軈て、
『どうです、あなたはどう思いますか』
その男は、覗込むように、私の顔を見上げた。
『なるほど……、よくわかりました、しかし、そういってはなんですが、あなたの努力は、結局は無駄じゃないんでしょうか』
『無駄――。駄目だというんですね、ナゼ、なぜですか』
彼は、眼を光らせて私のそばに膝を寄せて来た。その膝は気のせいか、かすかに顫えていた。
『いや、駄目だというのではありません、でも、非常に困難なものだろうと思うんです。流行歌の分析と組立てというのは、大変に面白いのですが、しかし、こういう話があるんですよ、今、日本で切実に求められているのはゴムです、人造ゴムの製法ですよ、それでそれを専門に研究している人が沢山にいるそうですが、どうもうまく行かんそうです、それはゴムを分析して、ゴムを形成している元素に分析して、斯うでなければならぬ、という十分の化学式を発見ます。