Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きょうふじょう

恐怖城 他5編

佐左木 俊郎

Leggi 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.735 caratteri · 290 schermate

Aozora Bunko

「平さんか?」

正勝は軽い驚きの表情で振り向いた。

「正勝ちゃんに、若旦那がちょっと用事があるそうだで」

「若旦那? 若旦那って、いったいだれのことだえ?」

正勝は頬を膨らましながら、高圧的に言った。

「そんな皮肉なことは言うもんじゃねえよ。用事があるんだそうだから、一緒に来てくれよ」

「しかし、おれにはだれのことだか分かんねえなあ。おれらが若旦那って呼ばなきゃならねえ人間が、いまこの牧場にいるのかね。おれには分かんねえ」

「皮肉だなあ。敬二郎さんが用事があるんだってさ」

「平さん! きみはもう敬二郎を旦那にしているのかい?」

「そんなことを言ったって、仕方がないじゃないか?」

「仕方がない? 平さん! きみの親父は内地からはるばると、難儀をしにこんなところまで来たのかい? 子供を牧場の安日当取りにしようと思って、こんなところまで来たのかい? 荒地を他人のために開墾したのかい? そんなつもりでおれの親父について来たのじゃねえと思うがなあ」

「そんなことを言ったって、はじまらないよ」

「どうしてかね? きみの親父の開墾したところはきみの親父の土地で、同時にきみの土地なんだ。