Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Leggi 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.735 caratteri · 290 schermate
だからぼくだって、こうして一人ぽっちになっていれば、またどんな偽映鏡に造り替えられないとも限らないんだ。そういう意味で、ぼくは決してきみを責めやしない。きみがどんな風に世の中を見ようと、永峯という偽映鏡は永峯という偽映鏡なりに世の中を映しとっているのだから。そして、ぼくはぼくという偽映鏡なりに世の中を映しとっているのだから」
「しかしね」
吉本はそれだけを言って深い溜息を一つした。吉本の言葉が永峯には、一つ一つ皮肉に聞こえてくるのであった。
「……しかし、ぼくも、自分の立場が誤っているということだけは知っているんだよ。しかしどうにもならないんだ。いまのぼく自身の鏡で世の中を映しているのではないような気がするんだ。……これをきみ流に言うと、ぼくはぼくの周囲の偽映鏡の照り返しを受けてそれを反映しているだけで、自分の映しとったものは一つとして外面に出していないような気がするんだ。少なくともいまのところ……」
「その、きみの周囲の偽映鏡っていうの、いったいだれのことなんだ?……雅子さんのことかい? それとも雅子さんの実家のことかい?」
吉本は籐椅子の中にほとんど仰向きになるほど深々と埋まって、微笑を含みながら言った。