Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Leggi 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.735 caratteri · 290 schermate
白壁の建物は日本建築ながら洋風めいていて、南向きの広い露台を持っていた。木材の多い地方ではあるが雪に埋もれる期間が長いので、露台はコンクリートでできていた。コンクリートの階段と手摺りとがあり、階段の上がり口には蘇鉄や寒菊や葉蘭などの鉢が四つ五つ置いてあった。
露台の中央には籐の丸テーブルと籐椅子とが置かれて、主人の森谷喜平は南に向いて朝の陽光をぎらぎらと顔に浴び、令嬢の紀久子は北を向いて陽光を背に受け、向き合って腰を下ろしていた。丸テーブルの上には二つの紅茶茶碗が白い湯気を立てていた。そして、喜平は紅茶には手を出さずに、林檎の皮を剥いていた。
「脚がよく締まらないのは、そりゃあ胴が太いからだろう?」
喜平は林檎の皮を剥きながら、微笑をもっていつものように乗馬の話をしていた。
「なんか知らないけど、わたし駄目だわ」
紀久子は父親の顔を見ないようにしながら、元気なく言った。彼女はいつになく元気がなかった。彼女は丸テーブルの上の紅茶にさえ手を出そうとはしなかった。彼女の純白の、天鵞絨の乗馬服の肩さえが、なんとなく寂しかった。
「駄目なことがあるもんか。馬を替えてみたらどうかな? 花房ならいいだろう?」