Classici giapponesi con furigana
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Leggi 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.735 caratteri · 290 schermate
結婚の予定を決して変更しなかったのは、自分の卑劣を覆い隠そうとしているのだと思われたくないがためだった。鈴木女教員の遺書の事実は肯定し、無実として否定すべきところを否定したと思われたいという気持ちから、無理にも予定どおりに鈴木女教員の言ったとおりにしたのだった。
鈴木女教員の代わりの教員が来、吉川訓導の代わりの師範学校出の先生が来て、丘の中腹の学校は元どおりの、内に波瀾を孕んだ表面の平和を続けていった。
運動場が雪にうずめられ、教室の中の火鉢のほとりでおりおり、生徒たちの間に鈴木女教員と千葉房枝のことが話されたりした。
雪が消えて畑の土が温かくなってくると、高等科の生徒はまた農業の実習に引き出された。堆肥で馬鈴薯を植え付けようというのだった。
高津校長がそれを教えていた。
「先生、この堆肥の中に蟇口がありました」
生徒の一人が、高津校長のところへその蟇口を持っていった。
もはや生徒らは、去年の秋のあの事件を忘れているのだった。
「うむ、どれ」
校長は怪訝そうに眉を寄せてそれを受け取った。
その蟇口の革は鋭い歯で噛まれたらしく、ぐしゃぐしゃに傷んでいた。