Classici giapponesi con furigana
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Leggi 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.735 caratteri · 290 schermate
「しかし、あんまり出血させちゃ悪かんべなあ」
松吉は首に巻いてある手拭いを取って、浪岡の膝を縛ろうとした。しかし、驚き切っている浪岡はその身近くに人を寄せようとはしなかった。
「畜生! 縛ってやろうというのに!」
「なんとかして、早く血を止めねえといけねえだろうがなあ」
「とにかく、ここじゃあ仕様がねえから、厩舎まで曳っ張っていこう」
平吾は浪岡を曳き、正勝は花房を曳いて、厩舎のほうへ歩きだした。浪岡の膝からはひどく血が流れた。その足跡には赤黒く血が溜まった。
「たわけめ! なんて間の抜けたことをしやがるんだ? たわけめ!」
牧場主の森谷喜平が怒鳴り立てながらそこへ寄ってきた。
「なんだって怪我などさせやがったんだ?」
「お嬢さまが……」
正勝は喜平の前へ出ると、思うように口の利けなくなるのが常だった。
「なにをっ! 紀久子が?」
「白い服を着て、あの土手のところから突然に……」
「正勝! てめえはまた嘘をつくつもりか?」
喜平はぴゅっと、手にしていた長い鞭を空間に打ち鳴らした。
「嘘なんか……」
「嘘でないっていうのか?」
「お嬢さまが……」
「なんでそんな嘘を言うんだ。