Classici giapponesi con furigana
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Leggi 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.735 caratteri · 290 schermate
それを怪我させて……」
「でも、死んだというわけじゃねえんで、血管が切れただけなんですから」
「血管が切れただけだからいいというのか? たわけめ!」
喜平はそう言って怒鳴りながら、怒ったときの癖で鞭をまたぴゅっと打ち鳴らした。
「それも今日、買手が見に来るっていうんだぞ。怪我をしている馬に、だれが買手がつくもんか。千円、二千円となりゃあてめえなんか、一生かかったってできるかできねえか分かりゃしめえ。それを……」
「馬鹿正直に働いていたんじゃとても……」
「なにを? 馬鹿正直に働いていたんじゃ? ちぇっ! 利巧に立ち回ればできるっていうのか?」
「利巧に立ち回って悪いことでもしねえかぎり、おれだけじゃなく、だれにだって!」
「何を言ってやがるんだ。屁理窟ばかりつべこべと並べやがって。いったい、てめえらはだれのお陰で育ったと思っているんだ? それも忘れやがって、わしに腹癒せがましいことができると思うのか?」
「旦那! 旦那は少し思い違いをしているようですけど……」
「思い違い? 何が思い違いだ? てめえ、とにかくそこへ手を突いて謝れ!」
喜平は長靴の踵で荒々しく床を蹴った。