Classici giapponesi con furigana
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Leggi 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.735 caratteri · 290 schermate
それでも、肩のところへ蔦代の短刀を握っている手が触れて、血糊がついたのですけど、わたしはできることならどうかして逃げようと思いまして、この部屋まで逃げてきたのですけど、ここまで来てもう逃げ切れなくなったものですから、鉄砲を取って逆に蔦代を威かそうとしたのでございます。そして、わたしはその時も、別に殺そうという気持ちはなかったのですけど……」
「しかし、鉄砲に弾丸が込まっていたことは前から知っていたんだろうがなあ」
「いいえ! わたしはここにかけてある鉄砲はみんな飾物としてかけてあるので、弾丸など込まっていないように思っていたのでございます」
「また、いろいろの鉄砲があるんだなあ。ほう! 刀も……」
巡査はそう言って、そこの壁にかけられてある鉄砲や刀のうえに目を持っていった。
「ですから、わたしは鉄砲で蔦代の胸の辺りを突いて、蔦代を威かしてやろうと思ったのでございます。それなのに……それなのに……」
紀久子はそう言って、涙ぐんだ。
「しかし、引金は引いたんだろう?」
「わたしは引いたような気もしなかったんですけど、やはり……」
「それじゃ、正当防衛としての殺人というよりは過失としての殺人で、どっちにしてもあなたには罪がないわけだ。