Classici giapponesi con furigana
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Leggi 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.735 caratteri · 290 schermate
敬二郎は火を吐くような息をして、心の中に呟いた。
(正勝の奴がいるからなのだ。正勝の奴さえいなければ、彼女の気持ちがこんなに急に変わるわけはないのだ)
敬二郎は電報を洋服のポケットに突っ込んで、厩舎の中からぴゅうっと飛び出した。そして、彼は自分の部屋に入っていった。部屋に入ると、彼は壁にかけてある猟銃を引っ掴んだ。そして、すぐまた戸外へ飛び出していった。
(正勝の奴を、どんなことがあっても怒らしちゃいけない。あいつの機嫌をとっておいて、あいつが油断をしているとき……)
敬二郎は気を静めながら、放牧場のほうへ駆けだしていった。しかし、正勝の姿は放牧場のどこにも見えなかった。
「開墾場のほうへ行ったのかな?」
敬二郎はそう考えて、四角なコンクリートの正門から道路のほうへ出ていった。ちょうどそこへ、正勝が急ぎ足に寄ってきた。しかし、正勝は敬二郎の姿を見ると急に立ち止まった。
「敬二郎くん! 何を昂奮しているんだえ?」
正勝は目を瞠って言った。
「熊が出たんだよ。楡の木の上の林から放牧場のほうへ、のそのそと出てくるのがはっきりと見えたんだ。一緒に行ってくれないかね」