Classici giapponesi con furigana
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あるれんあいしょうせつ
或恋愛小説
Leggi 或恋愛小説 (あるれんあいしょうせつ) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4756 caratteri · 10 schermate
主筆 つまりわたしの近代的と云うのはそう云う恋愛のことですよ。
保吉 達雄はまた毎日電燈さえつけば、必ず西洋間へ顔を出すのです。それも夫のいる時ならばまだしも苦労はないのですが、妙子のひとり留守をしている時にもやはり顔を出すのでしょう。妙子はやむを得ずそう云う時にはピアノばかり弾かせるのです。もっとも夫のいる時でも、達雄はたいていピアノの前へ坐らないことはないのですが。
主筆 そのうちに恋愛に陥るのですか?
保吉 いや、容易に陥らないのです。しかしある二月の晩、達雄は急にシュウベルトの「シルヴィアに寄する歌」を弾きはじめるのです。あの流れる炎のように情熱の籠った歌ですね。妙子は大きい椰子の葉の下にじっと耳を傾けている。そのうちにだんだん達雄に対する彼女の愛を感じはじめる。同時にまた目の前へ浮かび上った金色の誘惑を感じはじめる。もう五分、――いや、もう一分たちさえすれば、妙子は達雄の腕の中へ体を投げていたかも知れません。そこへ――ちょうどその曲の終りかかったところへ幸い主人が帰って来るのです。
主筆 それから?
保吉 それから一週間ばかりたった後、妙子はとうとう苦しさに堪え兼ね、自殺をしようと決心するのです。