Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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せんそうざっき

戦争雑記

徳永 直

Leggi 戦争雑記 (せんそうざっき) di 徳永 直 (とくながすなお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.149 caratteri · 25 schermate

Aozora Bunko

四

私の「父がかえったら屹度金持になるだろう、残飯食いと云われなくていいようになるだろう……」という期待は、なんにもならなかった。

私が二年生のときに、姉は四年生であった。私より女だけに、家の暮し向きを、こまごまと気にしている姉は、自分から母に相談して学校を下って、煙草専売局の女工になった。

年足らずの十三を、十五だと偽わって、姉は十六銭の日給を貰うために、朝五時から起きて、いそいそと一里も離れている専売局に通った。

年のわりにませた姉であったが、背の丈は私と同じくらいに小さかった。汚れた弁当包みを小脇にして、夕暮方かえって来る姉は、いそいそしていた。十六銭の給料が貰えるということのために、ほんとうにいそいそして喜んでいた。

「義務教育が六年に延びたから、是非とも学校にお出しなさい」と村長さんや、校長さんから督促があったけれど、母はとり合わなかった。姉は見向きもしなかった。

四

翌年、私は三番で三年生に進級した。小学校の生徒間にも、教員が児童保護者からの賄賂で、成績の発表を故意に上下にするということが、お互いの間で云い合っていた。

然しそんなことは、私は何の気懸りもなかった。