Classici giapponesi con furigana
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ししょ
戦国武士道物語 死處
山本 周五郎
Leggi 戦国武士道物語 死處 (ししょ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.176 caratteri · 33 schermate
五
「怪しい奴……その男か」
「はい、麻売り商人だと申して、数日まえからこの街道をうろうろしておりましたが春日山のお城の模様などを訊ねまわるのがてっきり諜者とにらみましたので」
「いや、いや、ち、ちがいます」
旅の男はけんめいに叫んだ。
「私は近江の麻売りで、この土地へまいったのは初めてですが小栗へはちょくちょく商売に来ています。決して諜者などという怪しい者ではございません」
「よしよし、騒ぐには及ばぬ」
通胤はじっと男の様子を見やりながら、
「諜者であるかないかはしらべてみればわかることだ、前へ出ろ」
五
「決して、決して怪しい者ではございません。どうかおゆるしを願います」
「怪しいとは申さぬ。しらべるだけだから前へ出ろというのだ」
「はい、はい、私はこの通り」
と云って前へ出るとみた刹那、男の右手にぎらりと刃が光り、体ごとだっと通胤へ突っかけて来た。みんな思わずあっと云った。まさに虚をつく一刀である。しかし極めて僅かなところで刃は、躱わされた。そして通胤が、右へひらきながら抜き打ちに浴びせた一刀は、逆に男の背筋をしたたかに斬り放し、かえす太刀で太腿を薙いでいた。
男は悲鳴をあげながら顛倒した。