Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ゆびわ

指環

田中 貢太郎

Leggi 指環 (ゆびわ) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4002 caratteri · 9 schermate

Aozora Bunko

しかし、たしかに差したはずの指環はもう指になかった。

山路の主人を殺した者は、一二年前に法科大学を卒業した主人の弟の法学士であった。彼は不意に日本刀を抜いて、裁縫していた己の女房を殺して、それから店へ出て主人を殺し、そして、己もその刃に斃れたものであった。

世間ではこれを財産の争いとしたが、謙蔵はこれを恐ろしい因果話として、何時か私に話したことがある。

指環の奇怪を見せられた謙蔵は、それとなしに山路法学士の素行を調べてみると、山路は在学中、某官吏の未亡人と関係して、その未亡人から金を執りだして、それで放蕩をしているうちに、未亡人は一人女を残して病死した。病死する時未亡人は、山路に女と結婚してくれと頼んだ。山路は好いかげんな返事をして、病人を安心さして置いて、いよいよ未亡人が亡くなると、残りの財産を蕩尽してしまった。女は母の命もあるし、すっかり山路を信頼して、山路のするままにしていると、山路は卒業してふいと福岡へ帰り、何時の間にか土地の女を細君にしていた。そんなことがあってから東京にいた官吏の女は、不意に家出をして生死が判らなくなってしまった。

謙蔵はまた某人から己が女から指環を頼まれた家は、最後に女の住んでいた家であったと聞かされた。