Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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つめ

探偵クラブ 烙印

大下 宇陀児

Leggi 探偵クラブ 烙印 (つめ) di 大下 宇陀児 (おおしたうだる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.509 caratteri · 103 schermate

Aozora Bunko

どこでそんなことを聞込んだかって、一生懸命気にしていて可笑しいったらない。漆戸と二人して散々揶揄ってやったんだけど、あの人、漆戸のいう通り、本当に気の小さな人ね。お兄様、何も心配することは要らないと思うわ。

漆戸と話している時、あの人、こんなことをいいました。

「ねえ漆戸君。僕は此頃つくづく自分が駄目になったと思うよ。昔は僕も、相当野心家で、勉強もしたし、溌剌たる意気も有っていた。ところが、学生生活を終って社会に実際出て見ると、すっかりもう僕はサラリーマンになり切ってしまって、いつもいつも考えていることは、早くサラリーが上ればいいとか、上役の感情を損ねてはならないとか、役所で何か手柄をして長官に認めて貰いたいとか、それに類した事柄ばかりだ。往年の大言壮語が気まり悪くなって来る。これではいけない、昔の意気や野望を盛り返せという叫びが、時として頭の隅から聞えて来ても、イヤイヤ、現在だって何も不幸ではない。同期の卒業生などに較べると、自分は出世が早い方だし、先ず成功者のうちに入れそうだ。焦ってはならぬという考えが湧いて来てしまう。――実に駄目だね。僕は、もしかして僕を、昔の僕に復帰させようというのなら、結局のところ、ここらで素晴らしい恋愛でもやって、昔の若さを再び燃え立たせにゃ駄目だろうと思っているよ。