Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

くろかべ

文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁

泉 鏡花

Leggi 文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁 (くろかべ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 72.070 caratteri · 143 schermate

Aozora Bunko

」

「あ、また降るよ……」

凄まじい霰の音、八方から乱打つや、大屋根の石もからからと転げそうで、雲の渦く影が入って、洋燈の笠が暗くなった。

「按摩の笛が聞えなくなってから、三度目だねえ。」

「矢が飛ぶ。」

「弾が走るんだね。」

「緋鯉と鮒とが戦うんだよ。」

「紫の池と、黒い潟で……」

「蔀を一寸開けてみようか、」

と魅せられた体で、ト立とうとした。

民也は急に慌しく、

「お止し?……」

「でも、何だか暗い中で、ひらひら真黒なのに交って、緋だか、紫だか、飛んでいそうで、面白いもの、」

「面白くはないよ……可恐いよ。」

「何故?」

「だって、緋だの、紫だの、暗い中に、霰に交って――それだと電がしているようだもの……その蔀をこんな時に開けると、そりゃ可恐いぜ。

さあ……これから海が荒れるぞ、と云う前触れに、廂よりか背の高い、大な海坊主が、海から出て来て、町の中を歩行いていてね……人が覘くと、蛇のように腰を曲げて、その窓から睨返して、よくも見たな、よくも見たな、と云うそうだから。」

「嘘だ! 嘘ばっかり。」

「真個だよ、霰だって、半分は、その海坊主が蹴上げて来る、波の※が交ってるんだとさ。