Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 186.659 caratteri · 372 schermate

Aozora Bunko

と、叱った。

少年は、叱られても、なお馬のハナに立って、馬より早い足を誇っているようなので、利家は、ふたたび、どなった。

「たれじゃ、そこへ駈けて行くのは」

すると、少年は、走りながら振り向いて、

「叔父君。わたしです」

と、答えた。

「あっ、慶次郎よな。たれに断わって、ついて来たか」

「叔母君から、お供してもよいと、おゆるしが出ましたから」

「なに、奥方にゆるしを受けて来たと」

「はい、もうここまで来たのですから、仕方がありません。どうか、お連れ下さいまし」

少年は、足をとめて、利家の馬の鞍につかまって、せがんだ。

これは、利家の兄の子。つまり彼には甥にあたる前田慶次郎という城内きっての腕白者なのだ。――かつて、京都に連れて行ったことがあり、一日、秀吉が利家を訪ねて来たとき、この慶次郎を見て、

(天下の一奇児だ)

と、あの変り者の秀吉も、この慶次郎の腕白ぶりには、一驚を喫して帰ったことがある。

こよいも、出陣触れと知るや、慶次郎はしきりに、叔父の利家にむかって、連れて行け連れて行け――と、せがんでやまずにいたが、何分、型にはまらない自然児なので、途中や戦場での荷厄介が予想されるし、かたがた、兄の子に、万一があってはと大事をとって、