Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 186.659 caratteri · 372 schermate
その一面、軍備と防塞に、拍車をかけて、急に、殻をかぶったように、汲々と、国境をかためた。――前田方の出城の諸将は、これをながめて、一挙に、富山攻めを計るべし、と金沢表へ献策したが、利家は用いなかった。
「いやいや、佐々も、信長公のお目がねで、一時はお取り立てあった程な男だ。侮るのはよろしくない。……負け腹立っている人間には、かまわぬがよい。かまわぬがよい」
――以後、北陸の佐々、前田の二勢力は、睨みあいの形のまま、冬にはいった。
大局からいうと、これは秀吉の望む既定方針でもあった。いまや小牧の帰結に手をやいている秀吉にとっては、慾をおもうよりは、北陸の現状維持こそが希いであった。――小牧を片づけ終るまでは、ともかく、佐々のうごきを、前田が抑えてさえおいてくれれば――と、していたのである。
だが、成政も、利家の牽制に、そのまま繋ぎ止められている男でもない。
かれは、利家との対峙と、風雪にとじられた北越の冬に、しびれを切らして、
「その後、小牧の戦況も、さっぱり聞えぬが、中央の形勢は、どうあろうか」
と、気をもみ、ついにその年、天正十二年の十一月二十三日、ひそかに、供の者百人ばかりを召しつれて、富山城を出たのであった。