Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 186.659 caratteri · 372 schermate
秀吉から一山へこう云い送る。
と、高野衆はこぞって、連署の誓紙をしたため――これを木食上人に託して、ひたすら秀吉の寛度を仰いだ。
木食、名は応其といい、興山上人ともいう。かれは一代の傑僧で、弁才に富む。秀吉に会い、かえって、秀吉を帰依せしめて、本領を安堵し、一山の大衆を助けた上に、秀吉に新しく興山寺の建築を寄進させた。――木食だけはたしかに、この悪時代の法燈の中にも、僧として、生々たる生命をもっていた者といってよい。
根来衆と高野衆とは、むかしから犬と猿だといわれていた。秀吉のまえに、脆かったのは、かれらが結束を欠いていることにもよるが、そのため、根来に殉ぜず、高野一山は、兵燹と、流血をまぬがれた。
高野が、難をのがれたのみでなく、以後、豊臣家の援護さえ約されたのは、これまた、木食上人の力によるところが大きい。
一山に、ただ一個の、ほんものの僧さえいれば、いかに荒廃の山の法燈でも、ふたたび、燈るものだということを、木食は、ときの僧衆に、身をもって教えた。
かくて、いつか征途に、山桜を見る頃となり、秀吉は四月二十七日、約一ヵ月ぶりで、大坂表へ帰った。