Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 186.659 caratteri · 372 schermate
たとえ家来筋でも、国のため、家のためとなって、開き直られると、元親たりとも、ただ主人の権威をもって、
(手討にいたすぞ)
だの、
(無礼者。退がりおろう)
などと、暴君の月並な脅しぐらいで、片づけるわけにはゆかない。また、片づけられて引き退がる谷忠兵衛でもない。
「まあ。考えさせい」
と、元親の方から、こう逃げて、かれは一時奥へはいった。
そのうしろ姿へ、
「では殿。明朝にも、御一族と、諸将をおよび出しあって、御評議をねがいましょう。事は、急を要します」
と、忠兵衛が、云った。
元親は、答えなかった。
その日のうちに、谷忠兵衛は、廻文を認めて、遠くへは、使いを走らせ、城中城下にいる者には、自身、訪れて、所信のほどを、説いて廻った。
彼は、その廻文のうちに、秀吉と戦って勝味のない理由を、次のように、書いていた。
――上方ノ軍兵軍船ヲ見ルニ、ソノ富強ハ、所詮、四国ノ対シ得ル所ニアラズ。コノ四国ハ、二十年余ノ兵乱ニ因ツテ、民屋ハ兵火ニ罹リ、村里ノ業ハ破レ、田野ハ芒草ニ蔽ハレ、五年三年ノ間ハ、猶、耕農モ整ハズ、五穀ノ満ツル日モナカラン。加フルニ、民ハ疲レ、諸卒倦ミテ、兵器馬具モ、古リ腐リテ、新鋭ノ精ナク、武人、徒ラニ壮語大言ヲナスモ、田牛行馬ハ痩セ衰ヘテ、コレヲ戦場ニ駆ルモ、何ノ用カ為スベキ。