Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 186.659 caratteri · 372 schermate
谷あり、絶壁あり、渓流あり、断崖あり、雪崩ありといったような、嶮路にぶつかって、
(もう駄目か)
と思い、
(いっそ死んだ方がましだ)
とまでおもいながら、
(いや、そうでない)
と、当面の艱難と戦って、それに打ち剋ち、乗りこえた艱難を、見事、うしろへ振り向き得たときに、
(われ生きたり、よくぞ生きたり)
という生命の歓びを、真に、人生の途上において、持ったのであった。
もし人の一生に、その多岐なる迷いと、多難なる戦いとがなく、坦々たる平地を歩くようなものであったら、何と退屈な、またすぐ生き飽いてしまうようなものだろう。畢竟するに、人生とは、苦難苦闘の連続であり、人生の快味といえば、ただその一波一波に打ち剋ったわずかな間の休息のみにあるといってよい。
だから、苦難を怖れない人にのみ、人生の凱歌と祝宴が供せられ、苦難に弱い、迷いに負けやすい人にのみ、悲劇がつづく。
(逆境おもしろし)
と、敢然として立ちむかう人生の闘士の前には、およそその人間を自殺せしめるほどな逆境はこの世にはあり得ない。しかし、薄弱なるさまよいの子には、逆境の魔が小石一つ彼に投げても、彼は生涯の傷痕に持って、容易にいつでも自分から落伍してゆく。