Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 186.659 caratteri · 372 schermate

Aozora Bunko

三日目が来た。返事がない。催促が来る。さまざまないいわけをする。そして、だらだら七日も十日も引っ張っておいて、さいごに、手切れを通告した。

徳川軍は、憤怒の勢いを示し、その日のうちに、かんが川を押し渡り、上田城へつめ寄せた。

大久保、鳥居の両部隊のあいだで、作戦の不一致が起った。大久保勢は、町へ火をかけて、焼き立てろという指揮を出したが、鳥居勢は、

「こんな道幅の狭い宿場町に火をつけたら、土地に不案内の味方は、かえって、袋露地に迷ったら、引き揚げにも困難する」

と反対して、敵城を前に、云い争った。

城中からは、昌幸の指揮のもとに、真田方の精兵が、二段、三段とわき目もふらず、突いて出た。

すべて古い城下町の道路というものは、交通の便や、美観よりも、その主眼は、一朝有事の場合の“守備の町”として設計されてあるものである。

信玄の治下に、甲州流を基礎として出来た甲斐、信濃地方の、城のあった古い町は、旅行者として、いま見ても、その構想の跡がわかる。

野戦に馴れた三河武士の精鋭も、山国のそうした“迷路の町”へ踏みこんでは、進退の雄飛を欠いたのもむりはない。