Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 186.659 caratteri · 372 schermate
家庭における男性という者には、どんなに独裁の振舞える位置にいても、一面には、叱られたり、ただハイハイと甘えていられる者も欲しい――という相反した本能がある。
ともあれ、かれは今、男の四十九歳という最盛期の人生に近づき、外には、小牧に天下分け目の大戦を抱えながら、内には、閨門の政治にも、なかなか多忙をきわめていた。よくもこう一個の身で、凡と非凡、大度と細心、大見得とまる裸との、仕分けができるかとおもわれるほど、いわゆる達者な生命力を、日々、飽くことなく生きていた。
「やれやれ、狂言舞も、見てこそ、おかしいが、おのれが舞台で演ってみると、おかしいどころかよ、くるしいものぞ。イヤ、なかなか」
秀吉は、いつのまにか、母堂や寧子夫人のうしろへ来ていた。たった今、見物の喝采をあとに、舞台の上から引っこんだ彼だった。
その、舞台の余熱が、まだどこかに醒めきっていないような調子で、
「――寧子。こよいは、そもじの部屋で、もそっと遊ぼう。たんと、馳走してくれい」
ちょうど、能狂言の終りと共に、あなたこなたは、明々と灯に染まり、招かれた客たちは、三の丸、二の丸へとおもいおもいに散って行った。