Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.320 caratteri · 398 schermate
すでにそれがしの八上の城なども、それになりかけて来たところで、広言ながら、この先まだ一年や一年半は支えてごらんに入れてもよい。はははは」
ふと、光秀が座中を見わたすと、城方の者は、云い合わせたように、箸もあまりとらず、杯も唇へ運んでいなかった。
――ああさすがに嗜み。
光秀はながめ遣ってひそかに感服した。
(みなが、揃って、喉から手が出そうな食物を――日頃の飢じさを、じっと、つつましく怺えているな)
と、察したのである。
城中にはすでに二十日も前から兵糧が完く尽きているはずである。ここにいる城方の面々も充分に食べていたとは思われない。食べていたにせよ、ただ露命をつなぐに足りる程度に胃の腑をしのいで来たに過ぎまい。
それを、いかにも、
(こんな食膳には飽いている)
という顔して、珍味佳酒のまえに、泰然としているのは辛いだろう。武士は食わねどというが――また、これもきょうの和睦の交渉に強味をもつひとつの兵法とはいいながら。
光秀は、秀治へいった。
「御家中の方々みな、主君のあなたへ御遠慮のように見うけらるるが、どうか其許よりお声をもってちと過せと、おゆるしを与えて下さらぬか。