Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.320 caratteri · 398 schermate
「何の何の。この老骨の武名などは、桔梗の御旗の下にあればこそで、明智家あっての内蔵助利三。利三あっての明智家ではございませぬ。さすれば、生きて御奉公しておるうちに、一度ぐらいは、わが君のお肌の垢など洗い流すことも、身の思い出と申すもので……」
利三は、袴をからげ、片襷をかけて、彼の背を洗っていた。仄暗い湯気と明りの中に、光秀は甘んじて、背を洗わしながら、首うなだれて、黙りこんでいた。
内蔵助利三が、自分に尽してくれる心入れを、そのまま、自分と信長との君臣のあいだに移して、ふかく自省しているのだった。
(ああ過てり)
光秀は心のうちで痛切に自分を責めた。何を不快としていつまで根に持って苦しんでいるか。信長ほどな良い主君を持ちながら、自分の忠節と情操とは、この一老職にも及んでいないではないか。ああ恥かしい。――彼はうしろから利三にザッとかけられた湯を、あだかも水のように心へ浴びた。
湯殿を出ると、光秀の気色も語音も変っていた。心気一爽。利三もともに爽やかを覚えた。
「やはり一浴してよかった。悪酔ばかりでなく、疲れもあったとみえる」
「御気分が癒りましたか」