Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 192.758 caratteri · 383 schermate
「銃隊は横へ開け。味方の前を塞ぐな」
槍の穂をそろえて突き出した中川隊の一群は、あらかたその槍をふりかぶって、堤の下や水面を撲りつけた。
もちろん目ざすものは敵兵だったが、槍を繰り引いて突き出すいとまよりは、振りかぶって撲りにかかったほうが、より迅速に、敵の出足を防ぎ得るからであった。
激突は、川の中で起った。
槍と槍。槍と太刀。――或いは長柄。
斬ッつ、斬られつ、である。
「面倒ッ」
と、吠えて組む者。
しぶきを揚げて戦列から水中に没し去る者。
濁流は渦巻いた。
いや、武者と武者の中に、わずかに流るる水があるといってよい。川は戦う武者で埋められている。
血あぶらは、水面にぱっと泛いては、ぱっともとの水に回ってゆく。
そのうちに、南軍の第二陣、中川清秀の一隊は、下流の戦闘を、高山右近の手勢にまかせて、
「突ッこめ。突ッこめ」
「ただ、突ッこめ」
「横にも、後にも、顧みするな」
「突ッこめ突ッこめ」
「ただ突ッこめ」
御輿舁ぎの懸声をそろえて社を出るように、わっしわっしと、重厚な戦列を押し出していた。そしてはやくも、円明寺川の東岸の藪に迫り、遮二無二、敵の中へ駈け入った。