Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 192.758 caratteri · 383 schermate

Aozora Bunko

――ひどい乱暴である。兜の鉄鉢を砲弾のように向けて、彼の横っ腹へぶつけて行った。

「あッ」

半助はよろめく。

虎之助は組みついている。

もう勝った形だ。

――が、両方とも無手。そうして双方とも、鎧通しの柄に手をかける遑がない。

「小癪な若者め」

半助の足軽三人が、わらッと、虎之助のうしろへ廻った。鉄砲の逆手、また、ふりかぶった刀、一度にその背へ落ちんとした。

どたッと、その三人が地ひびき立てて仆れた。虎之助危うしと見て、味方の前列から飛んで来た武者たちが、一人一人、敵の足軽を討ったのである。

軍鶏と軍鶏のように、羽がいを組み合わせたまま、地上に諸倒れとなっていた虎之助は、自分の具足の緒をつかんでいる死力の拳をぎ放すと、ぶるぶるッと、血ぶるいしながら、何物をか引っ抱えて、秀吉の馬前へ、一目散に駈けもどって来た。そして、

「仰せつけの物、持って参りました」

と、進藤半助の首のもとどりを掴んで、星明りに翳して見せた。

「祐筆、筆を」

と、馬上のまま求めて、秀吉もまた、星の光に、白紙へこう書いて、虎之助へ投げ与えた。

武勇心掛手柄者の若者とは汝たるべし。いよいよ武功を尽すべし