Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 192.758 caratteri · 383 schermate
さすがに音に聞えた偉丈夫とは見えて、玄蕃の逞しい筋骨は小がらな秀吉を圧するに充分だった。しかし彼は叔父勝家のようなあばたの瓶わり面とちがい、白皙の美丈夫にして、見るからに虎眉豹身の気にみちている。
秀吉は、杯をあげながら、
「なるほど、匠作(勝家のこと)にはよい家の子をお持ちではある。……どれ、ひとつ参らそう」
すると玄蕃は、首をふって、
「いや、どうせ戴くなら、そちらの大きいのを所望申す。大杯を賜りたい」
「これか――?」
それにはまだ酒がたたえられていた。
秀吉は無造作に器物へあけて、
「誰ぞ、酌してやれ」
といった。
朱のさかずきの縁へ、蒔絵の銚子の注ぎ口が当てられた。銚子が空になっても杯はまだ余地をのこしている。酌人は、べつな銚子を取りよせて、さらに、それへ満々とついだ。
虎眉豹身の美丈夫は、眼をねむって、盃を仰いだ。そしてなお余滴まで舌なめずるごとく飲みほして、これを懐紙で一拭し、
「いざ」
と、返した。
秀吉は、笑って、
「わしは、だめだめ。その芸はできない」
手を振られると、玄蕃は、ひと膝つめた。
「なぜ、受けて賜わらぬか」
「弱いためだよ」
「なんの、これしき」