Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.903 caratteri · 400 schermate
「撃たせて、弾の間合を見、その隙に、飛びこめ」
と、励ましあい、幾人かの犠牲は覚悟の前として、わざと起って、弾雨を浴び、敵の銃手が、次の弾ごめをする瞬間を計っては塹壕へ近づき、ついには坑の中へ飛び込んで、ここに血みどろな土中戦が行われた。
……雨となった。その夜から。
龍王山の陣々は、旗も幕も濡れびたっている。秀吉は陣小屋にかくれて、鬱陶しい五月雨雲を廂の外にみながら、だいぶ晴々しくない顔をしていた。
「虎之助――」
と、うしろを顧みて、
「雨の音か、人の跫音か。木戸の方が騒めいておる。見て来い、何事か」
「はい」
虎之助はすぐここへ帰って来て主人に答えた。
「ただ今、黒田どのが、戦場からお帰りになられたのです。途中、輿を担う者が、この雨のため、坂道で足を辷らし、そのため官兵衛様には、輿の上からしたたかに振り落され、蓑をかぶせられて、御家来がたの背に負われて今おもどりのところでした。皆して、それをお詫びしますと、黒田どのには、おかしげに笑いこけて、腰が痛いぞ、とお手でさすりながら、お小屋の内へ這ってお入りなされました」
あの、脚の不自由な身をして、この雨中にも、前線へ出ていたのか。