Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.903 caratteri · 400 schermate
に、何の拍車も加え得なかった。
しかも、秀吉が掲げている期日は、極めて無理な短期間であった。そして、
「是が非でも」
と、その期間内の竣工を部下に求めてやまないのである。
「毛利の援軍四万は、吉川、小早川、輝元の本軍と、三部隊にわかれ、刻々、国境に近づきつつあります。すでにその先鋒の一部は、某の村落まで来たという情報もありまする」
朝に夕に、飯を噛むまも、そういう飛報を耳にしている秀吉である。またその心中をよく知っている官兵衛である。昼夜兼行の労働につかれはてて、もう昼中はのろのろとしか、うごかない数千の人夫を見ると、官兵衛の胸は、この頃の梅雨雲のようにいらいらせずにいられなかった。
予定としては、大体、全工事を半月以内に完成したい。いや絶対に、その期間内に、築堤を終らなければ、毛利の来援とともに、この計画はまったく無意味に帰してしまうのみか、味方の統率上には、大なる破綻を来すおそれすらある。
二日。三日。すでに五日。
「いかん。どうかせねばならん。こんな遅々たる捗りようでは、半月はおろか、五十日、百日をかさねても、全長二十八町二十間という堤はできまい」