Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.406 caratteri · 381 schermate

Aozora Bunko

「いや、ありがたいお言葉。ただ今の約束、お忘れないように願いまする」

藤吉郎は、辞儀をしたが、頭を上げてみると、もう犬千代は、彼の前にはいなかった。

幾日か後だった。

藤吉郎は、弓之衆の長屋に、浅野又右衛門を訪れて、

「先日の儀で」

と、きょうは改まった物云いで、申し入れていた。

「その後、犬千代どのに会って、篤とご苦衷のところを、伝えておきました。犬千代どのにも、御息女が自分へ嫁ぐ意志もなし、また、私との間に、約束まであったことなら、ぜひもないゆえ、諦めるほかはなかろうとのことでした」

又右衛門は、彼のはなしが、ひどく独りのみ込みなので、解せぬ顔して聞いていたが、藤吉郎は、云い続けた。

「――とは申せ、犬千代どのにも、もとより未練は多分にござるので、これが、他の男へ縁づくことなら承知できぬが、貴公では仕方がない。貴公と寧子とが、以前から約束があって婚礼いたすものなら、残念だが諦めもし、いっそ男らしく大いに祝福もするが――万一、又右衛門どのが寧子を他の男へ嫁がすようなことであったら――これは承知できん。断じて許されぬ。――とも申しておりました」

「あ。木下氏。