Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.406 caratteri · 381 schermate
「おいでられた!」
「殿が」
「信長様が」
とかく信長とはいかなる大将か、自分らの主君でありながら、まだ端の端までは分りきっていなかったのが事実である。この孤塁に討死と、覚悟をきめていたところへ、突として、信長自身が、出馬して来たことが、意外の余り、兵をして感泣させたのだった。
「御馬前で死ぬものなら」
と、みな奮い立った。
星崎方面へ突き出して働いていた佐々隼人正政次も、三百余の手勢をまとめて、信長の旗本へ集まって来た。
信長は、砦の西の峰に、一応それらの兵をまとめて、人数を点呼した。
この暁方、清洲の城を出た時は、主従のわずか、六、七であったものが、今ここで閲すれば、約三千に近い兵が数えられた。
号して、五千と称した。
信長は静かに思った。
これこそは、尾張半国のわが領土のほんとの全軍であると。留守も後詰もない、織田軍の全部はこれきりなのだ。
「本望!」
何かしら微笑された。
そしてもう指呼のうちに見える敵今川の四万の布陣と、その気勢を見るべく、しばらくの間、旗幟をかくして、峰の一端から形勢を展望していた。
浅野又右衛門の弓隊は、そこの本陣からやや離れた山陰の腹にかたまっていた。