Classici giapponesi con furigana
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しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
Leggi 新潮記 (しんちょうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 155.541 caratteri · 305 schermate
こちらには全くその用意がなかったので、秀之進はちょっと返答に困り、「そうです」とようやく苦しげに頷いた、「はっきり申せば、庶子です」
「なぜそれをことわるんだ、庶子であろうと嫡子であろうといいじゃないか、そんなことは聞きたくないね」東湖はどうしてか急に眉をひそめた、自分のほうで痛いところへ触られたような感じだった、「しかしまあいい、それより高松のことでも聞こう、亀阜荘さまはこの頃すっかり日蓮宗に凝っておいでだそうだが、本当なのかね」
「わたくしはよく存じません」
「隠すことはないよ」東湖はぐいと盃を呷った、「左近さまもひと頃はなかなかのお方だった、十年もまえだったか、もう少しまえかな、江戸へ出府なすったときに、校川氏の案内で水戸へおわたりになったことがある、老公の知遇を求められてだ、老公もたいそうお喜びで、お館で御面会のうえねんごろに御会談をなすった、それからのちはしばしば御文通もあり、いちどは老公の上京に当って、左近さまも高松からわざわざお上りになり、京の館で親しく語られたこともある」
どちらかというと詠嘆的な調子で、けれど眼だけは相変らずするどく光らせながら、東湖は盃をあげつつそういった。