Classici giapponesi con furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Leggi 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 247.330 caratteri · 497 schermate
ギロギロした眼をいつも空にむけているお前
なぜ不透明な雪の中に逃避しているのだ
烏よ風よ
あの白々とさえかえった
富士山の肩を叩いてやれ
あれは銀の城ではない
不幸のひそむ雪の大悲殿だ
富士山よ!
お前に頭をさげない女がここにひとり立っている
お前を嘲笑している女がここにいる。
富士山よ富士よ
颯々としたお前の火のような情熱が
ビュンビュン唸って
ゴオジョウなこの女の首を叩き返すまで
私はユカイに口笛を吹いて待っていよう。
私はまた元のもくあみだ。胸にエプロンをかけながら二階の窓をあけに行くと、遠い向うに薄い富士山が見えた。あああの山の下を私は幾度か不幸な思いをして行き返りした事である。でもたとえ小さな旅でも、二日の外房州のあの寥々たる風景は、私の魂も体も汚れのとれた美しいものにしてくれた。野中の一本杉の私は、せめてこんな楽しみでもなければやりきれない。明日から紅葉デーで、私達は狂人のような真紅な着物のおそろいだそうである。都会の人間はあとからあとから、よくもこんなはずかしくもない、コッケイな趣向を思いつくものだと思う。又新らしい女が来ている。今晩もお面のように白粉をつけて、二重な笑いでごまかしか……うきよとはよくも云い当てしものかな――。