Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんていきららざか

新訂雲母阪

直木 三十五

Leggi 新訂雲母阪 (しんていきららざか) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5792 caratteri · 12 schermate

Aozora Bunko

六

それを聞くと同時にお新は表へ走り出た。

「内通?――そう仰っしゃれば、誰かに来馬様を下手人に――」

「黙れ、不義者。」

「不義は致しません。」

「不義も同然だ、現在夫の敵を――」

「敵で無い事は今の女も――」

「喧ましい。お身と同道はお断りじゃ。」

「兄さん、それは余り――」

「いや、言語道断の女だ。許しておけぬ。」

お俊は仕方が無かったしお新に代って、山田の事も知らせたかった。そして淋しい懐中を心細く感じつゝ

「女の一念。」

と、思って二人に別れた。

六

網は可成りに張られていた。甚七の邸で殺された一人が郡奉行の倅であったからである。甚七が村外れへかゝった時、二人の手先が競いかゝった。それを倒して村へ入った時、大勢の者に取巻かれた。

大勢と云っても、大勢の八分は村の人間であった。近づけば避け、走ると追う連中にすぎなかった。然し半鐘の音と共に、近在から無数に繰出してくる百姓には、甚七も辟易してしまった。そしてかくれるより外に道が無かったから、木立の茂りから大樹の上と巧に身を躍して夜に入るのを待った。

丁度その最中、お新が通りかゝった。彼女は、それが甚七であると知ると共に、近づこうとしたが村人は押えて一足も動かさなかった。