Classici giapponesi con furigana
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かにのかい
日本の怪談(二)
田中 貢太郎
Leggi 日本の怪談(二) (かにのかい) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 80.664 caratteri · 171 schermate
「そんなら、四十九日がすんだら、我家へ来るの」
「四十九日でもすんだなら、そのうえで定めようと思うておるが、まだお婆さんはこのとおり体が達者だから、当分一人で気楽にこうしておっても好い」
「お婆さんは気楽で好いかも知れんが、お婆さんを一人置くと、私等が心配でならん、それに第一用心が悪いじゃないか」
「なに大事な物は、本家に預けてあるし、病に罹りゃすぐ目と鼻との間じゃ、近処の衆が、一走りに知らしてくれるし、心配はないよ」
「それは、そうでも、お婆さんを無人の家へ一人置くことは、世間の手前もありますから、四十九日がすんだら我家へ来たらどう」
「往っても好い、私はべつにどうと云うことはないしな」
「それでは、来て貰いますよ」
と、孫女はだめを押して、
「私は帰ります、お婆さんと、其処までいっしょにしましょう」
老婆はお爺さんの墓までのかなりある距離を浮べて早く往かないと帰りが遅くなると思った。彼女は花束を持ってそそくさと下に降りた。
夕方になって老婆は墓参から帰って来た。この五六日水気の来たような感じのあった右の足の腓の筋が、歩いているうちに張って来たので、老婆はすこし跛を引くようにしていた。