Classici giapponesi con furigana
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なかじきり
日本の文学 2 森鴎外(一)
Leggi 日本の文学 2 森鴎外(一) (なかじきり) di Mori Ōgai (森 鴎外) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.092 caratteri · 45 schermate
とわずかにいうに、男爵こなたに向きて、「それにつきては一条のもの語りあり、われもこよいはなにゆえか寝られねば、起きて語り聞かせん」とうべないぬ。
われらはまだぬくまらぬ臥床を降りて、まどの下なる小机にいむかい、煙草くゆらするほどに、さきの笛の音、また窓の外におこりて、たちまち断えたちまちつづき、ひな鶯のこころみに鳴くごとし。メエルハイムは謦咳して語りいでぬ。
「十年ばかり前のことなるべし、ここより遠からぬブリョオゼンという村にあわれなる孤ありけり。六つ七つのときはやりの時疫にふた親みななくなりしに、欠唇にていと醜かりければ、かえりみるものなくほとほと饑えに迫りしが、ある日パンの乾きたるやあると、この城へもとめに来ぬ。そのころイイダの君はとおばかりなりしが、あわれがりて物とらせつ。もてあそびの笛ありしを与えて、『これ吹いてみよ』といえど、欠唇なればえふくまず。イイダの君、『あの見ぐるしき口なおして得させよ』とむつかりてやまず。母なる夫人聞きて、幼きものの心やさしゅういうなればとて医師して縫わせたまいぬ」
「そのときよりかの童は城にとどまりて、羊飼いとなりしが、たまわりしもてあそびの笛を離さず、のちにはみずから木をけずりて笛を作り、ひたすら吹きなろうほどに、たれ教うるものなけれど、自然にかかる音色をだすようになり