Classici giapponesi con furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Leggi 日本婦道記 (にほんふどうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.841 caratteri · 25 schermate
良人は自分の物も出すようにと云ったが、由紀はむろんそんな気持にはなれなかった。それで思いきって母にたのもうと決心した。
明くる日すぐに彼女は実家をおとずれた。あたりまえなら日こそ後れても里帰りとして祝って貰うところなのに、由紀は隠れるような気持で母の居間へはいり、茶を啜るのもそこそこにこえをひそめて話をした。母はひじょうにおどろき、哀れがるよりはむしろ怒りたいような眼でむすめを見た。
「なにもお訊き下さらないで、由紀が一生にいちどのおたのみです、母上さま、どうぞお願い申します」
「まあちょっとお待ちなさい」
母はそこで由紀よりもさらにこえをひそめた、
「あなたがそれほど仰しゃるのなら、金子はさしあげてもようございますけれどねえ由紀さん、この縁組はことによると、破談になるかも知れませんよ」
「……なぜでございますか」
「精しいことはわたしも知らないのだけれど、お役目のことで休之助どのになにか失態があったようすなのです、そのことで沢本さまが二度ばかりみえて父上とご相談をしておいででした、それで近いうちに吉岡さまが安倍へいらっしゃる筈だと思います」
明らかに由紀の顔色が変ってくるのを見て、母はそのあとを続け兼ねたようだ、それから劬りのこもった調子になり、