Classici giapponesi con furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Leggi 日本婦道記 (にほんふどうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8678 caratteri · 17 schermate
さっきからの言葉は忘れて呉れ」
「わたくしこそ、おこがましいことを申し過しました、どうぞお聞きのがし下さいませ」
女の幸子でさえ、広岡の話を聞けばすぐ事実にうつして身をつつしむ、悲憤慷慨に時を費やしているときではない、……そう云っては違うかも知れない、今かれを奮起させたのはもっと本質的な情熱であろう、しかし人間が大きく飛躍する機会はいつも生活の身近なことのなかにある、高遠な理想にとりつくよりも実際にはひと皿の焼き味噌のなかに真実を噛み当てるものだ。
「……弥五が鴨を持って来るかも知れない」太宰はしずかに微笑しながら、「済まないがいいように云って断わって呉れ」
「いいえ」幸子も頬で笑った、「せっかくお申付けになったものですし、明朝お立ちあそばせば暫くはお帰りにもなれませんでしょう、久しぶりに手料理を致しますから……」
「しかし明日の朝では間にあうまい」
「もう夕刻に持ってまいりました」
それは弥五の手まわしがいいなと、太宰は呆れたように笑ったが、ふとかたちを改めて、「いやいかん」と首を振った。
「鴨はよそう、……」