Classici giapponesi con furigana
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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
Leggi 日本怪談大全 第一巻 女怪の館 (がまのち) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 192.678 caratteri · 394 schermate
「いらない、瓶子と茶碗を執れ」
年老った婢はさからわなかった。年老った婢は一升瓶子と湯呑茶碗を持って往った。
「これでいいのですか」
「いい」
広巳は上框へ出て婢の出した瓶子と茶碗を引ったくるように執り、いきなりそこへ胡座をかき、瓶子の栓を口で脱いて、どくどくと注いで飲んだ。
「うウ」
年老った婢は呆れてその容を見た。広巳は茶碗の酒を二口に飲んで、また後を注いだ。
「うウ」
その酒もまた二口に飲んで三杯目の酒を注ごうとして、何か気になるのか耳をすましていたが、それだけではいけないのか茶碗をおいて起ち、玄関の方へ姿を消して往った。
「まあ」
年老った婢はますます呆れたような顔をした。そこへ頬の赧い壮い婢が何かを憚るように奥の方から出て来たが、年老った婢を見つけるなりその前へついと往った。
「お小夜さん」
「なんだね」
壮い婢は何人か己を見ているものでもないかと云うようにして、ちらと後を見ておいて年老った婢の鼻端へ近ぢかと顔を持って往った。
「汝さん、知らない」
「なんだね」
「たいへんよ」
「どうしたの」
「お座敷の方で、大きな声がしてたでしょう」
「そうね、何人か来てるの」