Classici giapponesi con furigana
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にほんだっしゅつき
日本脱出記
大杉 栄
Leggi 日本脱出記 (にほんだっしゅつき) di 大杉 栄 (おおすぎさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 76.254 caratteri · 151 schermate
実はこうこうなんだが、そこをこう言ってうまく逃げてやろうと思うんだとか。いや、実につまらん目にあいましてな、こうこう言うつもりのがついこんなことになってしまいましてとか。なあに、そんなことなら何でもない、せいぜい三月か四月だとか。話は日本の裁判所の仮監のとちっとも違いはない。そしてその大がいは、何百フランとか何千フランとかをどうとかしたという、金の話ばかりだ。それも、ちょっとした詐偽だとか、費いこみだとかの、ちっとも面白くない話ばかりだ。
で、僕は黙って、薄暗い室の中の壁の落書を、一人で調べていた。
A bas l'avocat officiel !(くたばっちゃい官選弁護士の野郎)
というのが二つ三つある。その他は牢やの監房で見たのと同じようなことばかりだ。女房の誰とかを恋するとか、生命にかけてブルタニュ女の誰とかを崇めるとかいうのも、幾つも書いてあったが、その女房かブルタニュ女かの肖像をなかなかうまく描いているのもあった。変な猥※な絵もあった。
そんなのを一々詳細に読んで行く間に、
「おい、君は何だ、泥棒か。」
と、僕の肩を叩く奴がある。さっきからしきりに、みんなに、君は幾カ月、君は幾カ月と刑の宣告をしている、前科幾犯面の奴だ。