Classici giapponesi con furigana
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にほんだっしゅつき
日本脱出記
大杉 栄
Leggi 日本脱出記 (にほんだっしゅつき) di 大杉 栄 (おおすぎさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 76.254 caratteri · 151 schermate
それはどうするんです。」
「それはこっちで大使館とかけ合って貰ってやる。それじゃ向うで待っているがいい。」
ということになって、僕は前にもお馴染の外事課の広い室に連れて行かれた。
百人近くの私服どもがそれぞれ机に向って、みな同じような紙きれを袋から出したり入れたりして調べている。その袋の表には何の誰という人の名前が書いてある。きっとそれがみんな日本で言えば要視察人とか要注意人とかいう危険人物なのだ。一つの袋の中には幾枚もの紙きれが、どうかすると十枚も二十枚もの紙きれが、はいっているようだ。
みんなは、その室の真ん中に腰かけさせられている僕を時々じろりじろりと見つめながら、その紙きれを調べている。やはり、日本のそうした奴等と同じように、ろくな目つきの奴は一人もいない。みなラ・サンテの監獄で見た泥棒や詐偽と同じような、あるいはそれ以上の面構えをしている。
が、もう正午だ。みなぞろぞろと昼飯を食いに出かけ始める。僕はすぐそばにいた男に、俺の昼飯はどうしてくれるんだ、と尋ねた。その男は主任らしい男のそばへ立って行った。そして帰って来て、何でも欲しいものを言え、とって来てやると答えた。