Classici giapponesi con furigana
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にちりん
日輪・春は馬車に乗って 他八篇
横光 利一
Leggi 日輪・春は馬車に乗って 他八篇 (にちりん) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 86.787 caratteri · 177 schermate
「王よ。」と兵士たちの一人は跪拝いて反耶にいった。「鹿の中から若い男女が現れた。彼らを撃つか。」
君長の反耶は、傍の兵士の持った松明をとると、頭上に高くかざして二人の姿を眺めていた。
「我らは遠く山を越えて来れる不弥の者。我らを放せ。」と訶和郎はいった。反耶の視線は訶和郎から卑弥呼の方へ流された。
「爾は不弥の国の旅人か。」
「然り、我らは不弥へ帰る旅の者。我らを赦せ。」と卑弥呼はいった。
「耶馬台の宮はかの山の下。爾らは我の宮を通って旅に行け。」
「赦せ。われらの路は爾の宮より外れている。われらは明日の旅を急ぐ者。」
反耶は松明を投げ捨てて、兵士たちの方へ向き返った。
「行け。」
兵士たちは王の言葉を口々にいい伝えて動揺めき立った。再び小山の頂では地を辷べる鹿の死骸の音がした。その時、突然、卑弥呼の頭に浮んだものは、彼女自身の類い稀なる美しき姿であった。彼女は耶馬台の君長を味方にして、直ちに奴国へ攻め入る計画を胸に描いた。
「待て、王よ。」と卑弥呼はいうと、並んだ蕾のような歯を見せて、耶馬台の君長に微笑を投げた。「爾はわれらを爾の宮に伴なうか。われらは爾の宮を通るであろう。