Classici giapponesi con furigana
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にちりん
日輪・春は馬車に乗って 他八篇
横光 利一
Leggi 日輪・春は馬車に乗って 他八篇 (にちりん) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 86.787 caratteri · 177 schermate
今や麻の草場の中では、角力の一団が最も人々を集めていた。反絵は彼らの中へ割り込むと今まで勝ち続けていた一人の兵士の前に突きたった。
「来れ。」と彼は叫んでその兵士の股へ片手をかけた。兵士の体躯は、反絵の胸の上で足を跳ねながら浮き上った。と、反絵は彼の身体を倒れた草の上へ投げて大手を上げた。
「我を倒した者に剣をやろう。来れ。」
その時反絵の眼には、白鷺の羽根束を擁えた反耶の二人の使部が、積まれた裸体の鹿の間を通って卑弥呼の部屋の方へ歩いて行くのが見えた。反絵の拡げた両手は、だんだんと下へ下った。
「よし、我は爾に勝とう。」と一人がいった。それは反絵に倒された兵士の真油であった。彼は立ち上ると、血のついた角髪で反絵の腹をめがけて突進した。
「放せ、放せ。」と反絵はいった。が、彼の身体は曲った真油の背の上で舟のように反っていた。と、次の瞬間、彼は踏み蹂られた草の緑が眼につくと、反耶に微笑む不弥の女の顔を浮べて逆様に墜落した。
「我に剣を与えよ。我は勝った、我は爾に勝った。」
ひとり空の中で喜ぶ真油の顔が高く笑った。反絵は怒りのバネに跳ね起されると、波立つ真油の腹を蹴り上げた。