Classici giapponesi con furigana
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にちりん
日輪・春は馬車に乗って 他八篇
横光 利一
Leggi 日輪・春は馬車に乗って 他八篇 (にちりん) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 86.787 caratteri · 177 schermate
長羅の馬は耶馬台へ近か寄るに従って、次第にひとり兵士たちから放れて前へ急いだ。このため兵士たちは休息することを忘れねばならなかった。しかし、彼らはその熱情を異にする長羅の後に続くことは不可能なことであった。そうして、二日がたった。兵士たちは、ある河岸へ到着したときは、最早前進することも出来なかった。彼らはその日、まだ太陽の輝いている中から河原の芒の中で夜営の準備にとりかかった。
遠い国境の山の峯が一つ高々と煙を吐いていた。太陽は桃色に変って落ち始めた。そのとき、遽に対岸の芒の原がざわめき立った。そうして、一斉に水禽の群れが列を乱して空高く舞い上ると、間もなく、数千の鋒尖が芒の穂の中で輝き出した。
「耶馬台の兵が押し寄せた。」
「耶馬台の兵が攻め寄せた。」
奴国の兵士たちは動乱した。しかし、彼らは休息を忘れて歩行し続けた疲労のために、かえって直ちにその動乱を整えて、再び落ちつきを奪回することに容易であった。彼らは応戦の第一の手段として、鋒や剣やその他総ての武器を芒の中に伏せて鎮まった。何ぜなら、彼らは奴国の兵の最も特長とする戦法は夜襲であることを知っていた。