Classici giapponesi con furigana
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めいじざのしょかんをきょしくんにとわれて
明治座の所感を虚子君に問れて
Leggi 明治座の所感を虚子君に問れて (めいじざのしょかんをきょしくんにとわれて) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2488 caratteri · 5 schermate
○虚子に誘われて珍らしく明治座を見に行った。芝居というものには全く無知無識であるから、どんな印象を受けるか自分にもまるで分らなかった。虚子もそこが聞きたいので、わざわざ誘ったのである。もっとも幼少の頃は沢村田之助とか訥升とかいう名をしばしば耳にした事を覚えている。それから猿若町に芝居小屋がたくさんあったかのように、何となく夢ながら承知している。しかも、あとから聞くと訥升が贔屓だったという話であるから驚ろく。それはおおかた嘘だろうと思う。物心がついてからは全く芝居には足を入れなかった。しかし自分の兄共は揃も揃って芝居好で、家にいると不断仮色などを使っているから、自分はこの仮色を通して役者を知っていた。それから今日までに団十郎をたった一遍見た事があるばかりである。もっとも新派劇は帰朝後三四遍見たが、けっして好じゃない。いつでも虚子に誘われて行くだけで、行ったあとでは大いに辟易するくらいである。
○それで明治座へ行って、自分の枡へ這入ってみると、ただ四方八方ざわざわしていろいろな色彩が眼に映る感じが一番強かった。もっともこれは能とさほど性質において差違はないが、正面の舞台で女の生首を抱いたり箱へ入れたりしているのにその所作には一向同情がない。